採用支援を利用するメリットは?採用支援サービスの種類や選び方のポイントも紹介

採用支援とは、採用のリソースやノウハウが足りていない企業に対して専門の会社が支援を行うサービスのこと。「採用担当者の負担が大きすぎる」「採用ノウハウが不足している」など、採用の課題を抱えた企業におすすめのサービスです。
本記事では、採用支援の概要や種類、サービスを活用するメリット・デメリットを解説します。サービスの選び方についても詳しく説明しているので「採用支援サービスの導入を検討したい」と考えている方は、ぜひご覧ください。

採用支援とは

採用支援とは、採用のリソースやノウハウが不足している企業に対して専門の会社が支援を行うことを指します。採用支援にはいくつかの種類があり、支援の内容・範囲はサービスによってもさまざま。
具体的には採用戦略の設計や求人サイトの運用、応募者との連絡などを委託できます。「採用ノウハウを蓄積したい」「採用担当者の負担を減らすために業務を効率化したい」など、抱えている問題によって選ぶべきサービスは異なります。まずは自社の採用課題を明確化し、自社に適したサービスを選びましょう。
採用支援サービスを提供している会社は、採用に関して専門的かつ最新の知識を持っています。そのため採用支援を利用すれば採用担当者の負担削減だけでなく、優秀な人材の獲得にもつながるでしょう。
採用支援が求められる背景

なぜ近年採用支援が求められるようになってきたのでしょうか。採用支援が求められる背景として、以下の3つが挙げられます。
- 労働市場の流動性が低い
- 自社にあった採用ノウハウが蓄積しにくい
- 採用担当者の人材不足
それぞれ以下で詳しく説明していきます。
労働市場の流動性が低い
日本は労働市場の流動性が低く、人材を獲得しにくい傾向があります。2021年12月に経済産業省が報告した「事務局資料」のデータを確認すると、他国よりも圧倒的に労働市場の流動性が低いことがわかるでしょう。終身雇用や年功賃金といった日本の雇用慣行が関係していると考えられます。
売り手市場が続き、優秀な人材の希少性が高まっています。さらに求人サイトやイベントでは知名度の高い企業に求職者が集中しがち。知名度の低い中小企業・スタートアップ企業が厳しい採用競争を勝ち抜くには「差別化ポイントを効果的にアピール」する必要があります。
自社にあった採用ノウハウが蓄積しにくい
採用ノウハウは自社に合ったものを選択しなければいけません。自社に適さない手法を続けていると「応募者が集まらない」または「無駄にコストがかかった」といった事態が生じるでしょう。
ダイレクトリクルーティングやリファラル採用、採用ブログ・SNS運用など、近年採用手法が多様化し、自社に適した手法を見つけることが困難になっています。新しい採用手法を導入するには、それぞれのメリット・デメリットやコストを把握して比較検討する必要があります。
「どの手法が自社に合っているのかわからない」と頭を抱えている採用担当者も多いのでは。結果として採用のプロに自社に合った採用ノウハウを提案してもらう目的で、採用支援を利用する企業が増えています。
採用担当者の人材不足
採用支援が求められるのは、採用担当者の人材不足も関係しています。近年どの業界でも問題となっている「人材不足」。新しく採用担当者を雇うよりも、採用支援サービスを活用して効率的に採用を進めたいと考えている企業も多いでしょう。
採用担当チームのマンパワーが不足していると、採用課題の解決などの重要な業務にかける時間が減ってしまいます。「日々の採用実務に追われて新しい手法を検討できず、採用課題が解決しないまま」といった悪循環におちいる可能性も。
採用支援サービスの種類と内容

それでは4種類の採用支援サービスをピックアップし、サービス内容をご紹介しましょう。
- 採用代行(RPO)
- 採用コンサルティング
- 採用管理システム(ATS)
- 求人広告・人材紹介
サービスの特徴や、どのような企業におすすめなのかについても解説していきます。
採用代行(RPO)
採用代行は、採用に関する業務を代行会社に委託する人材サービスです。RPO(Recruitment Process Outsourcing)やアウトソーシングと呼ばれることも。
採用戦略設計からスカウトメールの送信・日程調整といった実務まで、採用業務のすべてを委託できます。もちろん採用業務の一部分だけを任せることも可能です。「採用の進め方がわからないスタートアップ企業」や「事業拡大にともなって採用業務を効率化したい大手企業」まで、幅広い企業のニーズを満たせるサービスです。
採用代行について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
採用コンサルティング
採用コンサルティングは、企業が抱える採用課題の根本的な解決を支援します。採用代行と異なり、すべての実務を委託できるサービスではありません。採用コンサルティング会社に依頼できる主なサービスは以下の通りです。
- 採用戦略の立案
- インターンシップの開催
- 面接官トレーニング
- 内定者フォロー
- 内定者研修
採用コンサルティングは「なかなか採用課題が解決しない」や「いくつか採用手法を試したけれど、うまくいかなかった」などの悩みを持った企業に向いています。ただし、経営・採用方針に関わる重要な業務を依頼するので、依頼先は慎重に選びましょう。
採用管理システム(ATS)
採用管理システムはATS(Applicant Tracking System)とも呼ばれ、採用業務に関する情報を一元管理するツールを指します。求人掲載の情報や応募者の経歴・選考状況などを複数のツールで管理していると、情報を確認する際に手間もコストもかかります。
採用管理システムを活用すると、スピーディに採用活動を進められます。採用管理システムの種類によっては選考の一部を自動化できるのもポイント。採用担当者の負担を削減し、人為的な業務の抜け漏れを防げます。さらにシステムに採用情報が蓄積されるため、データの社内共有や採用結果の分析においても便利です。
求人広告・人材紹介
求人広告を使えば求職者だけでなく、就職・転職活動をはじめていない潜在層にも求人情報をアピールできます。
求人広告を掲載できる媒体はWeb媒体や紙媒体、マス媒体があり、特におすすめなのはWeb媒体。スマートフォンやPCからいつでも情報を確認できるため、多くの企業が利用しています。掲載する時点で費用が発生する「先行投資型」と、採用が確定した時点で費用が発生する「成果報酬型」があります。
人材紹介とは人材紹介会社に「求める人物像」を説明し、条件に合致する人材を紹介してもらうサービス。
人材紹介会社のデータベースから紹介する「登録型」と、データベース外から人材をスカウトしてくる「サーチ型」があります。サーチ型はヘッドハンティングとも呼ばれ、採用市場に出にくい高度なスキルを持った人材に出会える確率が高まるでしょう。ほとんどの人材紹介サービスは、採用が決定するまで料金が発生しません。
採用支援を活用するメリット

ここからは採用支援を活用するメリットについて解説します。
- 採用にかかるリソースを削減できる
- 自社にあった採用活動を進められる
- 採用ノウハウを学ぶことができる
各メリットについて詳しく説明するので、ぜひご確認ください。
採用にかかるリソースを削減できる
採用業務が効率化されると採用にかかるリソースを削減できます。たとえば採用代行会社に「スカウトメールの送信」や「応募者の日程調整」などの採用実務を委託すれば、採用担当者の負担が削減されるでしょう。業務を自動化する採用管理システムを使うと、業務をチェックする必要が無くなり人的な業務ミスも減らせます。
結果として採用担当者は採用戦略の見直しや内定者フォローといったコア業務に集中でき、効率的に採用活動を進められるでしょう。
自社にあった採用活動を進められる
自社にあった採用活動を進められる点も、採用支援を活用するメリットのひとつです。採用活動は自社にマッチした方法を選ぶことが重要です。「人手が足りていないので、スピーディに採用できる方法を探している」や「長期的な目線で応募者を増やしていきたい」など、企業によって採用課題は異なるもの。自社に適していない採用手法を続けても、採用課題が解決せず無駄なコストがかかってしまいます。
採用支援サービスを提供している会社は採用のプロです。課題を解決するために客観的な視点から自社の強み・弱みを分析し、適した採用活動を提案してくれるでしょう。
採用ノウハウを学ぶことができる
採用支援サービスを利用すると、採用ノウハウを学ぶことができます。まだ採用経験がないスタートアップ企業なら、社内にノウハウが蓄積されておらず準備を一からはじめないといけません。採用のプロからノウハウを学べると、効率的に採用活動を進められます。
採用コンサルティングの場合は自社の採用担当者が実際に採用活動を進めるので、より具体的な知識が得られ社内にノウハウが蓄積されます。また採用代行にすべての業務を委託する際は社内にノウハウが蓄積される仕組み作りを意識しましょう。採用の内容や進捗を報告してもらい、情報を可視化すると次年度の採用に活かせます。
採用支援を活用するデメリット

採用支援を活用するデメリットは以下の2つが挙げられます。
- 経済的コストがかかる
- ミスマッチが生じる可能性がある
「サービス内容が予想と違う」と後悔しないために、デメリットも理解したうえで採用支援を活用するか検討しましょう。
経済的コストがかかる
採用支援サービスを利用するとコストがかかります。自社で対応可能な業務まで任せていると、予想以上に費用がかかってしまうことも。
自社の採用コストと採用課題を踏まえ、どの業務を委託する必要があるのかを社内で検討してください。社内で採用業務を見返すうちに、自社の採用業務に関する改善点が見つかることもあります。
ミスマッチが生じる可能性がある
採用支援サービスはさまざまな種類があるので、自社に合ったサービスを選択しないとミスマッチが生じる可能性があります。
自社に合ったサービスを選ぶために、まずは自社の採用状況・課題を明確にすることが重要です。「採用業務を効率化したい」や「母集団を形成して応募者を増やしたい」など、自社の採用課題を書き出して優先度をつけておくとよいでしょう。そして採用支援サービスそれぞれの特徴を理解し、どのサービスを利用するかを検討してください。
採用支援サービスの選び方

最後に採用支援サービスの選び方について、3つのポイントを解説します。
- 採用における課題を明確にする
- かかるコストを算出する
- 自社にマッチしたサービスを選択する
採用における課題を明確にする
まずは自社の採用課題を明確にしましょう。どのような支援を受けることで、その課題が解決するのかを考えていきます。
たとえば「応募者が集まらない」場合は「求人情報を多くの求職者に発信できていない」や「求人情報・スカウトメールで自社の魅力を伝えられていない」などの原因が考えられます。前者なら求人広告で多数の求職者に自社をアピールし、後者なら採用代行・コンサルティング会社にアドバイスを受けて発信内容を修正するといった対応ができます。何が原因なのかわからないのであれば、コンサルティング会社に相談するのも有効な手段です。
かかるコストを算出する
採用支援にかかるコストを算出し、採用にかけられる予算と比較することでサービスの選択肢が絞られます。経済的コストはもちろんですが、サービスを受ける場合にかかる人的コストなども把握する必要があるので注意してください。
サービスを利用する期間も考慮しましょう。サービス料金が安くても、なかなか効果が出なければ長期間サービスを利用することになります。結果として予想外にコストがかさむかもしれません。一方で料金が高くても、短期間で効果があらわれて料金以上の成果が得られるケースもあります。
あらかじめ長期的な目線でサービスを利用し、コストを回収する方法もあります。採用管理システムは初期費用がかかるものの、導入後は月額料金を支払えば継続して利用できます。
自社にマッチしたサービスを選択する
自社にマッチしたサービスを選択することもポイントです。自社のカルチャーや採用したい人材、受けたいサービスなどに合わせて、いくつかの支援サービスを見比べながら選びましょう。
ミスマッチを防ぐ方法として、自社と同じ業界・規模感の導入実績があるかを確認するのがおすすめです。業界ならではの悩みや採用のコツを理解しているので、安心して採用業務を任せられます。
ある程度利用したいサービスが絞られている場合は「サービスを導入した事例」をサービスを提供している会社にヒアリングするのも吉。どのようなサービスを受け、効果が得られるのかをリアルにイメージできます。
自社にあった採用支援を受けよう
採用担当の人手が不足し、採用支援を活用する企業が増えています。一口に「採用支援」と言っても、種類によってサービス内容はさまざま。一元管理ツールを活用する「採用管理システム」や、採用戦略設計から実務まで対応可能な「採用代行」サービスなどがあります。
採用支援サービスのメリット・デメリットを把握し、自社にマッチした採用支援サービスを選ぶことが重要です。
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