採用戦略に役立つフレームワーク5選!メリット・デメリットや設計手順も解説

「採用戦略を立てたいけど、どのフレームワークを使えばよいかわからない」という採用担当者の方は、多いのではないでしょうか。この記事では、採用戦略に役立つフレームワークやフレームワークを活用するメリットやデメリット、具体的な採用戦略の立て方を解説します。
採用戦略の策定にお困りの方は、ぜひ最後までご覧ください。

採用戦略とは

採用戦略とは、自社が求める優秀な人材を獲得するために立てる戦略のこと。採用した人材によって企業の成長速度が左右されるため、企業全体にとって重要なものです。採用戦略では自社に必要な人材を明確化し、採用活動の実施に必要な準備や運用の方法などを決定します。
採用戦略は人事担当者が単独で立てるのではなく、役員や経営者、現場スタッフなども含め会社全体で立てるとより効果的です。
フレームワークを用いるメリット・デメリット

ここからは、フレームワークを用いるメリットとデメリットを紹介していきます。
フレームワークの活用は採用の方向性が決定したり、採用コストを削減できたりと、さまざまなメリットがあります。一方、フレームワークは戦略に合ったものを選ぶ必要があり、情報の取捨選択や戦略を立てる作業は自社でおこなわなければなりません。
メリット
フレームワークを用いるメリットは、以下の3つです。
- 採用戦略の方向性が決められる
- 自社を俯瞰的に評価できる
- 採用コストを削減できる
それぞれ具体的にみていきます。
採用戦略の方向性が決められる
フレームワークを用いると、採用戦略の方向性が決められます。なぜなら、フレームワークには採用戦略の方向性を可視化するステップがあるからです。
採用戦略の方向性を可視化すると、会社全体でやるべきことを認識できます。そのため、筋道をたてて、採用活動を効率的におこなえます。採用戦略の方向性が決まっていると途中で方向性を見失わず、採用に向けて無駄のない行動が可能です。
自社を俯瞰的に評価できる
フレームワークでは、自社の弱みや強みを分析するため、自社を俯瞰的に評価できる効果もあります。フレームワークの分析結果は採用戦略のみならず、企業戦略にも役立つでしょう。
採用コストを削減できる
フレームワークの利用により、さまざまな採用コストを削減できます。フレームワークはあらかじめ決められた項目に沿って分析をおこなうため、思考の無駄を省けるからです。思考に無駄があると、そのぶんの時間や金銭的なコストがかかります。
また、フレームワークは分析の手順が決められているため、他の社員にも説明しやすいです。そのため、他の社員に対して説明する時間を短縮できます。このように、フレームワークを用いると、採用にかかる時間や金銭的なコストを削減できます。
デメリット
フレームワークを用いるデメリットは、以下の3つです。
- 戦略に合わないフレームワークは効果が出ない
- 情報の取捨選択が必要
- 自動で効果が出るわけではない
それぞれ対策とともに、具体的にみていきましょう。
戦略に合わないフレームワークは効果が出ない
フレームワークが戦略に合わない場合、効果が出ません。なぜなら、フレームワークは万能ではないからです。フレームワークには複数の種類があり、状況によって合うフレームワークは異なります。
思考の効率化には、問題や課題にあったフレームワークを使う必要があります。
情報の取捨選択が必要
フレームワークでは、情報の取捨選択が必要です。理由は、分析作業だけで多くの時間がかかるからです。情報が多いと、その後のデータ活用にも時間や労力がかかります。
そのため、型にはまりすぎず、必要な情報を見極める必要があります。フレームワークをそのまま使うのではなく、考え方を取り入れる形で利用しましょう。
自動で効果が出るわけではない
フレームワークを使っても、自動で効果が出るわけではありません。なぜなら、フレームワークはあくまで分析の手段だから。フレームワークを有効活用するには、分析結果から自社に合った戦略を立てることが必要です。
採用に役立つフレームワーク7選

採用に役立つフレームワークを7つ紹介します。
- ペルソナ分析
- 3C分析
- 4C分析
- SWOT分析
- カスタマージャーニー
- 5A理論
- STAR
それぞれ分析の目的が異なるため、目的に合ったフレームワークを利用する必要があります。フレームワークの内容を、具体的にみていきましょう。
ペルソナ分析
ペルソナ分析は、採用ターゲットをイメージして架空の人物像をつくりあげる分析方法です。具体的には、年齢や趣味、スキル、性格など、採用ターゲットの属性を細かく設定します。
ペルソナ分析は、どのような人を採用したいのかを明確にすることが目的です。採用ターゲットを明確にすることで、採用後のミスマッチをふせげます。また、採用ターゲットを具体的にイメージできるようになるため、適切なアプローチ方法を考えやすくなります。
3C分析
3C分析は、以下3つを活用したフレームワークです。
- Customer(市場・顧客)
- Competitor(競合)
- Company(自社)
採用戦略で3C分析をおこなう場合、顧客を求職者、競合を採用市場での競合他社に置き換えます。
これら3つの特徴やニーズを分析することで、自社の強みやアピールポイントが整理できます。自社の立ち位置を把握するのが、3C分析の目的です。客観的に自社をみることで、今後の対応を検討しやすくなります。
4C分析
4C分析は、以下4つを活用したフレームワークです。
- Customer Value(顧客価値)
- Cost(顧客負担)
- Convenience(顧客利便性)
- Communication(コミュニケーション)
採用戦略で4C分析をおこなう場合、顧客を求職者に置き換えて、入社のメリットやデメリット、日程調整などのしやすさなどを考えます。求職者目線で自社をみて、自社の強みや魅力を洗い出すことが目的です。
求職者目線でみたときに自社に課題や問題がみつかった場合は、どのようにすれば解決できるかを考え、求職者に選ばれる会社を目指していきましょう。
SWOT分析
SWOT分析は、以下の4つを活用するフレームワークです。
- Strength(強み)
- Weakness(弱み)
- Opportunity(機会)
- Threat(脅威)
これらを用いて自社と他社を比較し、自社の強みや弱みを明確にすることが目的です。
採用戦略におけるOpportunity(機会)は、「採用活動にプラスになる環境」、Threat(脅威)は「採用活動にマイナスになる環境」と考えられます。自社の強みや弱みと合わせて、自社を取り巻く環境や外部要因を分析することで、効果的に対策がたてられます。
カスタマージャーニー
カスタマージャーニーは、求職者が企業を見つけてから採用されるまでを時系列で表示し、求職者視点にたった採用施策を考える手法です。
例えば、求職者が以下のような流れで採用に至るとします。
- インターネットで自社の求人をみつける
- 自社の公式ホームページを見にいき、興味をもつ
- 企業の個別説明会に行く
- 企業に応募し、面接を受ける
- 採用
この場合、ステップ2の段階で企業に興味をもてなければ、企業の個別説明会に行く可能性は低いでしょう。そのため、自社の公式ホームページに求職者の興味をひく内容や、企業の魅力が伝わる内容を載せる必要があります。
このように、カスタマージャーニーをおこなうことで、求職者の行動に応じた採用戦略をたてられます。
5A理論
5A理論は、以下の5つを活用したフレームワークです。
- Aware(気付く、認識する)
- Appeal(印象づける)
- Ask(尋ねる)
- Act(行動を起こす)
- Advocate(周囲に勧める)
カスタマージャーニーと同様、応募者が企業を見つけてから採用されるまでの流れを分析し、採用活動で気を付ける点をみつけられます。5A理論は、求職者がどのような流れで自社に興味をもち始めるのかを分析するとき、利用されることが多いです。
STAR
STARは、以下の4つを活用したフレームワークです。
- Situation(状況)
- Task(課題)
- Action(行動)
- Result(結果)
求職者の置かれた状況や課題を把握し、結果に辿り着くまでの過程を評価します。求職者の思考プロセスや、その結果の行動などを明確にすることが目的です。
求職者が実際にどう考え、どう行動したのかを確認することで、求職者の思考を把握できます。自ら率先して課題を解決できる人材かどうかを、判断することが可能です。結果では数値ではなく、求職者の考え方に着目して分析しましょう。
5ステップで簡潔!具体的な採用戦略の立て方

具体的な採用戦略の立て方を、以下5ステップで説明します。
- 求める人物像の設計
- 採用スケジュールの設計
- 採用手法の設計
- 面接官の育成
- 採用後のフォロー体制の設計
それぞれ順番にみていきましょう。
1.求める人物像の設計
最初に、求める人物像を設計します。企業の成長には、どのようなスキルやパーソナリティをもった人物が必要か考えましょう。求める人物像を設計する理由は、面接官によって採用基準が変わらないようにするためです。
具体的にはペルソナ分析を使い、求める人物像を明確にしておきましょう。定めた人物像は、採用に関わるメンバー全員で共有することが大切です。長期的な視点で企業の成長を考え、必要な人物像を明確に設計しましょう。
2.採用スケジュールの設計
求める人物像が決まったら、採用スケジュールを設計します。具体的には、以下のような採用過程のスケジュールを決めます。
- 求人募集
- 選考の締め切り
- 書類選考
- 一次面接
- 二次面接
- 最終面接
スケジュール設計の際には、具体的な日付を決めるようにしましょう。求人サイトや人材紹介のサイトなど、採用に使うチャネルが複数ある場合は、チャネルごとにスケジュール日程を組むことも可能です。
多くの人材に応募してもらうためにも、余裕をもったスケジュール設計をおすすめします。
3.採用手法の設計
採用スケジュールが決まったら、採用手法を設計します。どのような手法を使って採用をおこなうのか、採用手法を決定しましょう。
例えば、求人サイトやビジネスSNS、人材紹介などです。不特定多数に対して求人をおこなうか、特定のターゲットに絞ってアプローチするかで、適した採用手法は異なります。
採用で外部のサービスを利用する場合は、費用や強みなどを把握する必要があります。自社の予算や求める人物像を確認し、自社に適した採用手法を選択しましょう。
4.面接官の育成
採用手法が決まったら、面接官を育成します。
企業と面接官の認識にずれがないようにするためです。面接官が個人的な考えで採用をおこなうと、企業が求める人材を確保できる可能性が低くなります。面接官を複数設定する場合も、全員が同じ認識をもって採用に取り組めるよう育成が必要です。
また、面接官は候補者にとって会社のイメージとなるため、育成が必要です。ビジネスマナーや候補者との接し方、質問の仕方など、候補者にマイナスのイメージを与えないように、面接官を育成しましょう。
5.採用後のフォロー体制の設計
面接官を育成したら、最後に採用後のフォロー体制の設計をおこないます。
なぜなら、内定を出した後も、実際に入社するまでの間に内定辞退の可能性があるからです。入社までの間に内定者に不安が生まれると、内定辞退に繋がります。
自社への入社のモチベーションを保ってもらうためにも、内定から入社までの間には、メールや電話でコミュニケーションを取り続ける必要があります。
入社後にも、フォローは必要です。入社後に悩みが増えると、早期退職に繋がる可能性があります。そのため、定期的な面談やアンケートの実施など、フォロー体制を整える必要があります。内定から入社までや入社後など、場面に応じたフォロー体制の設計をおこないましょう。
フレームワークの活用で採用活動を能動的に進める
フレームワークを活用し、採用活動を能動的に進めましょう。近年は働き手不足により、受動的な姿勢では優秀な人材を獲得できなくなっています。そのため、候補者に対して採用担当者が能動的に働きかけることが重要です。
採用活動を能動的に進めるために、まずは採用戦略をたてる必要があります。採用戦略は今回紹介したフレームワークを利用することで、効率よく立案が可能です。フレームワークを上手く活用し、自社の採用活動を能動的に進めていきましょう。
TECH HIREでは、エンジニア採用に特化した採用戦略を策定します。採用戦略策定にお困りの方は、ぜひTECH HIREまでご相談ください。
