【事例あり】採用ブログとは?始め方や投稿すべきネタ、活用ポイントを解説

採用ブログとは、「人事ブログ」とも呼ばれる自社の採用情報を発信するメディアです。採用サイトや求人広告よりも、自社の魅力を詳細かつ自由に発信できるため、自社にマッチする人材の獲得に繋がりやすくなります。
しかし、採用ブログを始めたいと思っていても、手順や投稿するネタがわからず、何から手をつければいいかわからない担当者も多いのではないでしょうか。
この記事では、自社の求める人材を獲得したい人事に向けて、採用ブログのメリットや始め方、投稿するべきネタ候補、ブログ運営のポイントを解説します。また、人気の採用ブログを3メディア紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

採用ブログとは?

採用ブログとは、社員が実際に勤務している様子や自社の採用情報、社内イベントなどを発信するメディアを指します。企業の人事・採用担当者が運営する場合が多く、人事ブログと呼ばれることも。
求人サイト・求人広告よりも自由に情報を発信できるため、社内の雰囲気・価値観・理念を伝えやすいでしょう。そのため採用ブログは、自社にマッチする人材を見つけやすい採用活動です。求職者はもちろん、まだ就職・転職活動をはじめていない潜在層にも自社をアピールできます。
採用ブログの目的としては、以下の3つが挙げられます。
- 自社の認知度を向上させる
- 求職者の応募動機を形成する
- ミスマッチを防止する
数ある企業のなかで自社の採用情報を埋もれさせないために、認知度アップは採用活動において重要な課題です。また採用ブログの内容がおもしろければ「この会社で働いてみたい」と考える応募者があらわれるかもしれません。採用ブログは応募者が企業への理解を深めるツールとなり、ミスマッチ防止にもつながります。
採用ブログのメリット

ここでは採用ブログのメリットを3つご紹介します。
- 採用サイトよりも多くの自社情報を発信できる
- 自社ブランディングの形成に繋がる
- 選考・内定辞退を抑制できる
それぞれのメリットについて、以下で詳しく見ていきましょう。
採用サイトよりも多くの自社情報を発信できる
採用ブログは、自社情報をさまざまな手法で自由に発信できます。
外部の採用サイトでは、ある程度テンプレートに沿った採用情報しか掲載できないため、「他の企業との差別化ポイントをアピールできず、応募者が集まらない」とお悩みの人事担当者も多いのではないでしょうか。採用ブログは、他社との差別化を課題として挙げている企業におすすめの採用活動です。
自社のペースで更新頻度を高められるので、トレンドを抑えた発信も可能。市場価値の高い人材はトレンドに敏感であるため、採用ブログは優秀な人材が自社に興味を持つきっかけにもなります。
自社ブランディングの形成に繋がる
採用ブログは自社ブランディングの形成につながります。自社の企業理念・行動規範を継続的に投稿し採用ブログの愛読者を増やせれば、幅広い層に企業の魅力を伝えられるでしょう。
結果として「あの会社で働きたい」という応募者が増え、意欲の高い母集団を形成できます。
選考・内定辞退を抑制できる
選考・内定辞退を抑制できる点も採用ブログのメリットのひとつ。市場価値の高い人材は複数の企業で内定が決まっている可能性もあります。内定者をフォローし継続的に自社の魅力をアピールすることで、内定者の心をつかみましょう。
また採用ブログを通じて社員の働き方・仕事内容をチェックできるため、ミスマッチを防ぎやすいです。「どのような社員がいるのだろう」または「本当にこの会社に就職してよいのか」と、入社前に不安を感じる内定者も多いでしょう。採用ブログは内定確定後から入社までの期間に、内定者が企業の理解を深める機会になります。
採用ブログの始め方

「採用ブログを始めたい」と思っても、何から手をつければよいのかわからない方も多いはず。そこで採用ブログの始め方を、3つのステップに分けて説明します。
- 担当者を決める
- ブログの開設方法を選ぶ
- 発信するテーマを決める
手順を詳しく見ていきましょう。
担当者を決める
最初に採用ブログの担当者を決めましょう。そしてブログで投稿を始める前に、運営体制を整えます。「どれくらいの頻度でブログを更新するのか」や「誰が記事を作成するのか」を考えておいてください。
記事作成の担当に関しては「各部署が順番に受け持つ」または「特定の方が記事作成に関わる」などの方法があります。特定の方だけで運営するよりも、それぞれの部署の方が関わって運営するほうがおすすめです。さまざまな部署が記事を作成すれば、部署ごとの雰囲気や仕事内容を詳しく伝えられるでしょう。
ブログの開設方法を選ぶ
次にブログの開設方法を選びます。開設する方法は「自社サイト内に専用ページをつくる」または「外部ツールを使う」のどちらかです。それぞれのメリット・デメリットを理解して自社に適した方法を選択しましょう。
すでに自社のコーポレートサイトがある場合は、サイト内に専用ページをつくって採用ブログを掲載します。自社の独自性を発信しやすく、採用サイトへの誘導もしやすいでしょう。ただしWordPressなどを使用し、自社でシステムを構築しなければいけません。Webの専門知識が必要となり、コストがかかる点に注意してください。
一方で外部ツールを使えば、サイトを作成するコストがかからずスムーズに投稿を開始できます。注意点としては自社の採用サイトまで誘導するには工夫が必要で、自社サイトよりも自由度が低くなることが挙げられるでしょう。そのため自社サイトほどの集客効果は見込めません。
発信するテーマを決める
ブログの開設方法を選んだら、発信するテーマを決めます。テーマを決める前には、自社の方針や採用課題を明確にしましょう。
たとえば「ミスマッチによる離職率を改善したい」という課題があるならば、自社の価値観・仕事内容を伝える発信をすべきです。他にも「インターンシップなどのイベントを告知したい」「充実した福利厚生を知ってほしい」など、目的によって投稿の内容はまったく異なります。
採用ブログで投稿するべきネタ候補5選

ここからは採用ブログを運営する際におすすめのネタを5つピックアップします。
- 社員インタビュー
- 詳細な会社情報
- 自社開催イベント
- 新入社員の密着レポート
- 社員視点で書かれたコラム
おすすめの理由を解説していきましょう。
1. 社員インタビュー
社員インタビューは実際に仕事をしている社員の様子を伝えられるため、おすすめの投稿ネタです。社員インタビューを行うときのポイントは、一貫したテーマを設定すること。企業理念をもとにテーマを考えるとよいでしょう。
インタビュー内容の例をいくつかピックアップします。
- 入社したきっかけ
- 仕事内容
- 業務に関する勉強方法
- 社内での過ごし方
- やりがいを感じるとき
- 大変だったこと
- 今後の目標
応募者に「自分が入社して働く姿」をイメージしてもらうために、できるだけ具体的な内容を記載してください。たとえば社員の勉強方法がわかると「入社後どのように成長するのか」が想像しやすいです。また勉強方法は未経験者・他業界からの転職者に有益な情報と捉えられるでしょう。
2. 詳細な会社情報
詳細な会社情報は、自社を知ってもらうために欠かせません。経営トップや役員に話を伺い「経営方針・事業戦略」をまとめてください。採用ブログだからこそ、なぜ今の方針に至ったのかという背景事情まで詳しく記載できます。インタビューや対談形式にすると、読みやすい記事になるでしょう。
「社風・企業文化」を伝えることも重要。社員にアンケートを取ったり、人事担当者がコラムを書いたりすると職場のリアルを伝えやすいです。さらに「自社製品やサービスの紹介」は求職者以外にも需要のある記事になります。製品・サービスの誕生秘話や開発で苦労したエピソードなどを書くのもおすすめです。
3. 自社開催イベント
自社で開催したイベントのレポートを投稿するのもおすすめ。イベントに参加しなかった方にも内容が伝わるように書きましょう。イベントレポートで書くべき主な項目は、以下の通りです。
- イベント情報(全体の流れ、登壇者プロフィール)
- イベント内容(発表内容、展示スペース)
- 参加者の声
- 関連情報(次回イベントの告知、SNSアカウント)
- イベント写真
イベントの写真はイベント後に「全体の写真を撮っていなかった」と後悔しないよう、事前に準備しておきましょう。全体の写真や参加者の様子など撮りたい写真をあらかじめイメージしておくと、イベント当日にスムーズに撮影できます。
4. 新入社員の密着レポート
新卒採用を検討している場合は、新入社員に密着したレポートを掲載するのもよいでしょう。例としては約1年間新入社員に密着し、入社初期から研修期間、本配属までを時系列順にまとめた記事が考えられます。リアルタイムで発信するために、数ヶ月単位で更新しましょう。
密着レポートを特に読んでほしいターゲットは「来年新卒入社が決まっている内定者」や「新卒入社を考えている方」です。ターゲットがどのような情報を知りたがっているのかを考えながら作成してみてください。
5. 社員視点で書かれたコラム
5つ目の投稿するべきネタ候補は、社員視点で書かれたコラムです。運営担当者だけが記事を作成していると、偏った内容になる可能性が高くなってしまいます。リレー形式でさまざまな部署の方がブログを更新する手法がおすすめ。各部署の仕事内容・特徴や社員の個性が伝わるような、おもしろみのある記事になるでしょう。
ただし投稿する前には企業が発信する情報として成り立っているか・有益な内容になっているかをチェックしておく必要があります。事前に書くテーマや記事構成、文字数などを統一しておきましょう。
採用ブログを有効に活用するポイント

「どのようにすれば採用ブログを有効に活用できるのか」を知りたい方に向けて、採用ブログにおいて抑えておくべきポイントを3つご紹介します。
- 毎日更新する
- 他の社員からもネタを提供してもらう
- ブログ運営の長期的な目標を設定する
それぞれのポイントについて詳しく説明していきましょう。
毎日更新する
採用ブログは継続的に更新されることがポイントなので、毎日更新するのが理想的です。ただしスピードを意識しすぎて、質が低い記事を投稿しないように注意しましょう。企業のイメージダウンにもつながりかねません。
毎日更新が困難な場合は、週に2〜3回の更新でもよいでしょう。週に数回更新する際のポイントは更新する曜日を決めること。更新する曜日が決まっていると、読者に定期的にブログをチェックしてもらいやすいです。
他の社員からもネタを提供してもらう
採用ブログの担当者でない社員からもネタを提供してもらいましょう。一部の人間だけで記事を作成していると、どうしても内容がワンパターンになりがちです。
まずは社員の協力を得るために「現在採用ブログを運営しており、採用ブログのネタを募集している」という現状を全社員に周知しておくことも大切。そしてネタ出し会議を設定し、できるだけ各部署の方に参加してもらいます。また社員の日報や会議の議事録をチェックすると、いつもと違うアイディアが浮かぶかもしれません。
ブログ運営の長期的な目標を設定する
採用ブログを運営する際は、長期的な目標を設定しましょう。ブログを始めても、すぐに採用課題が改善されるわけではありません。長期的な目線でKPI(重要業績評価指標)やKGI(重要目標達成指標)を設定し、ブログの効果をできるだけ数値化して検証してみてください。目標の例をいくつかご紹介します。
- 採用ブログのPV数
- 採用ブログ経由の応募者数
- 内定承諾率
- 早期離職率
ブログ運営には時間もコストもかかるもの。なぜブログを運営しているのか、目的を意識しながら取り組みましょう。
人気の採用ブログ事例5選

最後に、人気の採用ブログ事例をご紹介します。
- 読売新聞社|新聞社「らしさ」を最大限に表現
- 毎日放送社|「推し」をテーマに親しみやすさを演出
- groxi社|ターゲットに合わせて二次元キャラを採用
- ナイル社|ありのままの姿を発信
- ベイジ社|日報スタイルで発信
では各ブログの特徴を解説していきます。自社でブログを運営する前に、ぜひご参照ください。
1. 読売新聞社|新聞社「らしさ」を最大限に表現
新聞社「らしさ」を最大限に表現しているのが、読売新聞社の採用ブログです。たとえばトップ画面の左サイドバーには日付が表示される仕様になっています。毎日のトピックを扱う新聞社ならではのこだわりといえるでしょう。
「新聞=紙・非デジタル」のイメージを持つ方もいるかもしれません。読売新聞社はブログ内でアニメーションを活用し、デジタルにも対応していく姿勢を示しています。さらにテキストだけでなく、デザインにもこだわっているので企業文化や世界観が読み手に伝わりやすくなります。
2. 毎日放送社|「推し」をテーマに親しみやすさを演出
毎日放送社の採用ブログは「推し」をテーマにしており、親しみやすさが演出されています。『推し図鑑』では社員と社員の推しを紹介。自分の推し方を診断できる『推し方診断』では診断結果をもとに、同じ推し方の社員インタビューを閲覧可能です。
自分との共通点を知ると、社員に対してより親近感を抱くでしょう。「この社員と一緒に働きたい」という想いを掻き立てるように工夫されています。
3. groxi社|ターゲットに合わせて二次元キャラを採用
groxi社の採用ブログはターゲットに合わせて二次元キャラを採用しているのが特徴です。キャッチコピーは「型にはまれなかった者たちへ」。アニメのキャラクター説明のように、社員を二次元化して紹介しています。
採用ブログはターゲットを絞り込みすぎないのが一般的。しかしgroxi社のように求めている人物像が明確な場合は、ピンポイントでターゲットに刺さる内容にしてみるのも有効な手段です。
4. ナイル社|ありのままの姿を発信
ナイル社が運営しているブログ「ナイルのかだん」は、社員や企業のありのままの姿を発信しています。飾らない姿を伝えることで、ミスマッチ防止につながるでしょう。
社員インタビューは対談形式で話し言葉を使って書かれており、会話を聞いているような感覚で記事を読めます。インタビューで取り上げている内容は「なぜ転職したのか」や「なぜナイル社を転職先として選んだのか」など。「ナイル社に興味を持っている方は、社員に何を聞いてみたいのか」を意識したテーマ選びを行っています。
5. ベイジ社|日報スタイルで発信
ベイジ社は日報スタイルで社員の考え方を発信しています。文章量が比較的少なめで、短い時間でも読みやすいのが魅力。
日報のなかでも、Web制作・ディレクション・設計・デザインなどのカテゴリーに分けられています。具体的には「コミュニケーションスタイル」や「デザイン提案」、「アイキャッチ画像の作り方」など、求職者でない方にとっても興味深い情報が発信されています。採用情報に特化しないことで、就職・転職を意識していない潜在層にも自社をアピールできるでしょう。
採用ブログで企業の魅力を伝え認知拡大につなげよう
採用ブログにはさまざまなメリットがあります。大きなメリットとしては、自社にマッチした人材を獲得しやすい点が挙げられるでしょう。
他社と差別化するには、まず自社の強みを理解しブログの方向性を定めることが重要。今回ご紹介した事例を参考に、どのようなブログが自社に適しているか考えてみてください。ブログを運営するコツは長期的な目線で、継続的に更新することです。
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